桜の木の下で

「桜の木の下には屍体が埋まっている！」と、梶井基次郎は書いておりました。
私はそのせいで、この季節がくると美しく咲き誇る桜の下を通るたびに木の根元へと目を凝らしてしまうのです。またこんな風にも書いています。

「一体どんな樹の花でも、所謂真っ盛りという状態に達すると、あたりの空気の中へ一種神秘な雰囲気を撒き散らすものだ。」

あの桜が満開になるときの恍惚とした気分はSMの性的高揚感を思い出させます。
みなさんは感じたことがあるでしょうか？あの覚醒的な快適感。
これは実験でも実証ずみで、たしかに満開の桜の下で森林浴実験を行うと、血圧の上昇、交感神経優位な積極的な快感の昂進がみられたそうです。

でもなぜSMを思いおこしてしまうのでしょうか。ジェットコースターでもなく、好きな人との初デートでもなく、、、
桜は奈良時代から栽埴されましたが当時は実りの神が宿る神聖な樹でした。
一方で戦争中は「兵士は桜の様に潔く散るべし」と軍国主義の道具として使われた悲しい歴史もあります。

私は感じるのです、満開の桜と春の始まりを神のもとで祝い喜ぶ人々の記憶と、散りゆく桜に見送られた武士や兵士達の血なまぐさい記憶。

あの蕾みのままじっと春を待つけなげな姿と、刹那的な快楽を模してるかのような盛大な咲きっぷりと散り際。
これらは快楽と苦痛、美しさと醜悪さ、淫乱と母性。
矛盾する感情をすべて飲み込んでいくSMの世界そのものではないでしょうか。

「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよい逢う人みなうつくしき」
と、与謝野晶子は詠みました。
時代を超え満開の桜の下で私たちはドキドキするようなワクワクするような経験をするようです。

４月１４日から２０日は「女王様と花見しながら野外プレイ１５分サービス」なんていうイベントがあります。あなたは桜の下で何を感じますか？

ＳＭ動物園

ＳＭには、いろいろなイメージプレイがありますが、皆さんよっぽど人間でいるのが嫌なようで、いろんな動物になりたがります。

犬をリクエストされた場合、まず首輪をつけて「ぽち」などと呼んでやります。「お手」や「おかわり」といった芸を仕込むのもいいですね。

次は、お散歩です。部屋の中をリードを引いて歩き回ったり、首輪をつけたまま外にいってみたり、手を使わずに食べたり、食べさせてあげたりの食フェチプレイも楽しいです。

馬をリクエストされた場合、馬乗りや騎乗位など、とにかく上に乗られることを望んでおられるようです。乗馬鞭を持ち馬乗りになり、ペチペチお尻を叩きながら部屋の中をうろうろしてみたり。苦しがるまで上に乗ってあげたり。このへんまではいいです。

次に多いのが豚でしょうか。「肌が白く太っている＝ブタ」という感じに外見を嘲るときや、卑しい性格の比喩として言葉責めのキーワードにすることが多いです。ブタと言うと、「この雌ブタめ！」などという文句を浮かべる方もいるかと思われますが、これは「女王様とおよび！」と同じくらい実際のプレイで使われることはなく、ＳＭがパロディーとして扱われる時のみ登場するセリフですのでくれぐれもお気を付けください。

しかし呼びかけるだけではつまりません。私は豚と一緒に何をしたらよいのでしょうか？
汚い所で泥だらけになってブヒブヒ言っているイメージがありますが、最近ではミニブタをペットとして飼っている方も多く聞くと豚は意外ときれい好きで知能も犬くらい高いので仕込めば芸もするようです。、、、と言うことは「ほらブタちゃん首輪付けて散歩するわよ！」と言う展開でいいのでしょうか？（違うよなぁ）

他には、まえに観たAVで男優に卵を生ませるというのがありました。鶏ですね。
ペニスの鬼頭と包皮の間に卵を挟み込み更にそれを睾丸でくるみます。手をはなすとゆっくり卵が出てくるというものでした。もちろんこれは仮性包茎の方のみ可能なプレイになりますので、それ以外の方が「卵うみたい！」と思われたら、アナルにゆで卵をいれるなどのアレンジが必要かと思われます。

他にも乳牛プレイと称して乳首責めをしてみようとか、羊プレイと称して全身の毛を剃ってみようとか考えだしたらきりがないくらいです。
今月の26日は傀儡堂で「女王様と合コン！！」が開催されますが、いろんな動物が集まっての楽しい変態動物園になったらいいな。

なんて思ってます。参加希望の方、私たち飼育係（女王様）と一緒に遊びましょうね！
もちろん観てるだけでもOKですよ。たくさんお話できるのを楽しみにしてます！

うちの猫女王様

３回目にして、もう猫のことか！と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ご存知の方も多いのですが、私は猫が大好きです。周囲を見回してみても、素敵な女王様は皆、猫を飼ってらっしゃいます。(妄想かもしれません)

私がどのくらい猫が好きかというと、そう、この原稿を書いている最中でさえ、猫責めの真っ最中なのです…。
２匹の猫女王様が私の肩や膝にお乗りになり、そのかわいらしいお尻を顔や腕に押し付けるのです。
もちろん手や足が痺れても、その毛の感触で鼻をくすぐられくしゃみが出そうになっても許してはくれません。

或いは原稿の上に座り込んだり、手許をわざと邪魔したりして奉仕を要求なさるのです。そんな時は左手でおもちゃを持って満足なさるまで奉仕しながら座っている猫女王様の脚やしっぽの隙間から文章を書くのです。

もし少しでも機嫌を損ねたら猫女王様はプイッとどこかへ行ってしまい私は大変寂しい思いをさせるのです。なんて冷酷な女王様なのでしょう。

ですから私は美しい瞳に見つめられながら手足の痺れや関節の痛みに懸命に耐え、そして甘美な猫女王様の感触に溺れながらＭ男の喜びを身を持って知るのです。顔面騎乗されている時や、足で踏みつけられている時はきっとこんな感じなのでしょう。

うちの猫女王様はもう一つ高度なテクニックを持ってらっしゃいます。私がＭ男とのプレイ中でロウソクに火をつけると、温められたロウソクから立ち上る少し甘い香りは、猫女王様の額の匂いとそっくりなのです。

私はその香りを深々と吸い込むとついついあの至福のときを思い出し、体は遠くにいても、心は縛られている事実を知るのです。猫女王様の深い慈愛とテクニックをまざまざと見せ付けられる瞬間です。

私はいつも何気なくＭ男の体にロウソクを垂らしながら猫女王様への被虐の愛と目の前で恍惚の表情を浮かべるＭ男への加虐の愛を同時に感じて、密かに身悶えしてしまうのです。

ＳＭとの出会い

前回ＳＭとの出会いを書いてみたのですが書き進めるうちにあの出来事より前に
ＳＭと出会っている事に気付き懸命に記憶をほじくりかえしていたのですが
「何が？」きっかけだったのかはっきりとは覚えていないのです。

本屋で偶然買い求めたジョン･ウィリーのコミックか、小さなギャラリーでやっていたベティ･ペイジの映画か、なにげなく入った雑貨屋で見た真っ黒いラバーマスクとコスチュームか、友達に借りた丸尾末広の漫画か、図書館で手に取った江戸川乱歩の小説なのか、とにかく高校生の時にはもうＳＭ的世界に夢中でした。

でも実際にＳＭプレイを体験するのはもう少し後のことになります。

私の大好きな作家から見て分る通り、私が惹かれたのはＳＭの持っているフェティッシュなイメージ、ＳＭ的なコスチューム、様式美、猟奇性、エロティシズムなどで支配者としての女王様、服従者としての奴隷という主従関係などにはあまりこだわりがないのです。

プレイパートナーが私に求める役割は様々ですが、ただの呼び方だけの存在である
「女王様」になるのだったら、もっと私は昔読んだお気に入りの本に出てきた憧れのヒロインたちになりたいのです。

破廉恥な行為に没頭する少女や淫らで挑戦的な娼婦。

さらってきた女の子を監禁する伯爵夫人やいじわるなメイド。

ボンテージをまとったコケティッシュなピンナップガールや人々を虜にする女盗賊。

たくさんのヒロインたちが私の妄想の中に住んでいて静かに出番を待っているのです。